海を越え、時代を越えて。世界を巡るお茶の旅|日新 食品物流部


週末のひとときに、カフェで紅茶を味わう。あるいは、自宅で香り高い台湾烏龍茶を淹れて一息つく。今や世界中で親しまれる「お茶」。その楽しみ方は実にさまざまです。土地の気候や歴史が深く関わります。そこで今回は、世界各地の個性豊かなお茶文化とその歴史をご紹介します。

職人技が光る伝統茶から、驚きのアレンジティーまで
まずは、アジアのお茶文化から見てみましょう。
・台湾の「烏龍茶」
緑茶(不発酵)と紅茶(完全発酵)の中間にあたる半発酵茶です。緑茶の爽やかさと紅茶のコクを併せ持ちます。さらに、発酵や焙煎の絶妙な加減で香りが変化します。蘭の花のように爽やかな凍頂烏龍茶。蜂蜜のような甘い香りの東方美人茶。このように多彩な種類が存在します。
・タイの「タイティー」
バニラなどの甘い香りと、鮮やかなオレンジ色があらかじめ加工された茶葉を使うのが特徴です。これを濃く淹れ、コンデンスミルクと砂糖、氷をたっぷり加えます。この「激甘」なアイスミルクティーが現地流の楽しみ方です。
・インドの「マサラチャイ」
アッサム茶葉を、ミルクや砂糖、スパイスと一緒に煮出す国民的ドリンクです。実はこれ、かつて植民地時代に輸出できない質の悪い細かい茶葉を美味しく飲むために生まれた知恵なのだとか。

海を渡り英国へ。「紅」と「黒」にまつわる紅茶の謎
アジアのお茶が17世紀にヨーロッパへと渡ると、やがてイギリスの貴族社会で高級品として広まりました。当時は銀に匹敵するほどの高級品でした。そのため、使用人に盗まれないよう鍵付きの箱(ティーキャディー)で厳重に保管されていたほどです。そして19世紀半ばには、紅茶と軽食を楽しむ「アフタヌーンティー」の文化が誕生します。
ところで、日本では紅茶と呼ぶこのお茶を、英語ではブラックティーと呼ぶのをご存知でしょうか?
これは、緑茶(グリーンティー)と区別するために名付けられたといわれています。しっかり酸化発酵させて黒っぽくなった「茶葉の色」そのものが由来です。
さらに、イギリスの硬水でお茶を淹れると、水に含まれるミネラル分の影響を受けます。そのため、日本の軟水で淹れるよりもお茶の色が黒っぽく出ることも理由の一つです。私たちが目で見る「紅」と、イギリス人が見ていた「黒」。このように、同じお茶でも茶葉の状態や水の違いによって呼び名が変わるのです。

国境を越えて愛される一杯
さらに最近では、日本の「抹茶(Matcha)」が海外で広く親しまれるなど、お茶の文化は時代や国境を越えて今も進化しています。
普段私たちが何気なく飲む一杯のお茶。しかし、その背景には何世紀にもわたる歴史と、それぞれの国が育んできた豊かな知恵が詰まっています。今日は少し気分を変えて、まだ飲んだことのない異国のお茶を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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