「地域ごとに魅力をもつうどん」

今年も残すところ、あと1か月となりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
寒さも本格的になってきましたね。おでんやシチュー、鍋料理を食べて温まりたい季節です。

鍋料理の「しめ」といえば、雑炊や中華麺、うどんなどがあります。その楽しみ方は人それぞれでしょう。
今回は、鍋のしめにもなり、主食としても愛される「うどん」についてお話しします。

うどんとは、小麦粉、水、塩を加えて練り、細長く切った麺のことです。諸説ありますが、うどんはそばよりも歴史が長いと言われています。
奈良時代には、うどんに似た麺が遣唐使(けんとうし)を通じて日本に伝わりました。
そして、現在のうどんの形は、室町時代に中国から伝わった「切麦(きりむぎ)」が元になっていると考えられています。
江戸時代になると、うどんは庶民の味として定着しました。それから現在に至るまで、全国で広く親しまれています。

料理の方法も、ざる、釜揚げ、煮込みなどさまざまです。また、うどんの太さやコシ、出汁(だし)の味も地域によって異なります。
そこで今回は、代表的な地域のうどんをいくつかご紹介します。

 

稲庭(いなにわ)うどん

稲庭うどん:ザルの上に盛られた白く輝く細い麺

秋田県の名産品です。江戸時代のはじめに、地元の小麦を使って干しうどんを作ったのが始まりだと言われています。
その歴史は約350年にもなります。当時は、殿様への贈り物にもされていました。
ひやむぎよりも太く、断面は平べったくなっています。粉には「でんぷん」を使っているため、なめらかな舌ざわりと、つるつるとしたのどごしが特徴です。

麺の太さ 細め(平打ち)
コシ・食感 つるつる・喉ごし重視
主な地域 秋田県

伊勢(いせ)うどん

伊勢うどん:濃いタレに絡んだ太い麺と月見の卵黄

三重県伊勢市で受け継がれてきた郷土料理です。
江戸時代に、伊勢神宮へお参りに来た人にふるまったのが始まりだと言われています。今でも伊勢神宮の近くには、伊勢うどんのお店がたくさん並んでいます。
麺は普通のうどんより2倍ほど太く、ふわふわと柔らかいのが特徴です。タレには、たまり醤油と鰹(かつお)ダシなどが混ざっており、麺によく絡みます。

麺の太さ 極太
コシ・食感 ふわふわ・柔らかい
主な地域 三重県

讃岐(さぬき)うどん

讃岐うどん:大根おろしやネギが乗ったコシのあるぶっかけうどん

香川県の特産品です。香川県は、県民一人あたりのうどん消費量が全国1位です。
あっさりした出汁と、コシの強さが特徴です。この強いコシは、生地を足で踏む作業などによって生まれる「弾力」によるものです。

麺の太さ 太め
コシ・食感 強いコシ・弾力あり
主な地域 香川県

五島(ごとう)うどん

五島うどん:鍋に入った釜揚げ(地獄炊き)

長崎県五島列島のうどんです。その始まりは古く、奈良・平安時代と言われています。
作り方がユニークです。島の特産である食用の「椿油(つばきあぶら)」を塗った細い麺を、熟成させて乾燥させます。
コシが強くて切れにくく、プルンとした食感が楽しめます。ゆでたうどんを、醤油やアゴ(トビウオ)出汁のたれで食べる「地獄炊き」という食べ方が有名です。

麺の太さ 細め(丸麺)
コシ・食感 切れにくい・プルンとしている
主な地域 長崎県(五島列島)

 

🚚 食品物流のプロのひとことメモ

「麺」の種類によって、最適な運び方は変わります。

今回ご紹介したうどんでも、流通形態によって注意点が異なります。
例えば、稲庭うどん五島うどんの多くは「乾麺」として流通するため、常温で長期間の保管が可能ですが、国際輸送では湿気対策が重要になります。

一方、讃岐うどんなどで見られる「生麺・半生麺」は、本来の美味しさを保つために厳密な温度管理(チルド・冷凍)が必要不可欠です。
また、伊勢うどんのように非常に柔らかい麺は、輸送中の振動や重みで麺が潰れてしまわないよう、梱包や積み付けに細心の注意を払う必要があります。

 

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うどんは一見シンプルに見えます。しかし、食べ方や出汁、コシによって味わいが違います。
皆様も住んでいる地域や旅先で、その土地ならではのうどんを味わってみてはいかがでしょうか。

そして今年の大晦日は、年越しそばではなく「年越しうどん」で新年を迎えてみるのも良いかもしれませんね。(M.O.)

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