「健康食品の縁の下の力持ち、乳糖のはなし」
最近、新型コロナウイルスや異常な気候変動などにより、自分や家族の健康を以前より意識するようになった方が多いのではないでしょうか。私自身も日々の運動はもちろん、サプリメントなどの健康食品に目がいくことが増えました。
スーパーやドラッグストアに行くと、各種ビタミンやプロテインなど、さまざまな健康食品がずらりと並んでいます。これらの商品は、飲みやすいように錠剤や粉末になっていることが多いですよね。
これら多くの商品には、**賦形剤(ふけいざい)**と呼ばれる材料が使われています。
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賦形剤って、一体なに?
賦形剤とは、簡単に言えば製品の製造を助ける役割を果たす材料のことです。健康食品の有効成分はごく少量で高い効果を発揮するものも多いため、そのままでは小さすぎて、錠剤にしたり、粉末として量を計ったりするのが大変です。そこで、賦形剤を混ぜることで、有効成分を適切な量や形に加工できるようにしているのです。
賦形剤には植物由来のデキストリンや結晶セルロースなどさまざまな種類がありますが、その中でもよく使われるのが**乳糖(ラクトース)**です。乳糖は主に牛乳からチーズやヨーグルトを作る過程で得られる成分で、賦形剤として主に次の3つの点で優れた材料といえます。
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乳糖が健康食品に欠かせない理由
1. 水に溶けやすい
乳糖は糖の中でも水に溶けやすいため、体内で有効成分が速やかに溶け出すのを助け、サプリメントの吸収効率を高めてくれます。
2. 有効成分と馴染みやすい
有効成分同士を混ぜると、重さや形状、まとまりやすさ(成形性)の違いなどから、そのままでは含有量に偏りが出てしまいます。乳糖は、そんな偏りを均一にしてくれるほか、混合した粉末を圧縮して錠剤にしやすくする「縁の下の力持ち」として活躍してくれます。製造が容易だとコストが下がり、ひいては商品価格も抑えられるため、消費者にとっても優しい材料といえるでしょう。
3. 安全性が高い
乳糖は、健康食品はもちろん、薬の錠剤や粉末にも長年使われている実績があります。乳糖不耐症の方を除けば、ほとんどの人にとって安心して摂取できる成分です。
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日常の健康食品にも目を向けてみよう👀
健康志向が高まる現代において、私たちの健康を支える製品はますます多様化しています。その一つひとつが、飲みやすさや有効性のために、さまざまな工夫を凝らして作られているのです。
次に健康食品を手に取った際は、ぜひ成分表示をチェックしてみてください。私たちの健康を支える小さな工夫が隠されていることに気づくかもしれません。(Y.I.)