「蕎麦の魅力」
今年も残り4カ月と少しになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今回は、私の大好物である蕎麦についてお話しします。
実は、子どもの頃は蕎麦があまり得意ではありませんでした。特に独特な香りが苦手で、大みそかには蕎麦ではなくうどんを食べていたほどです。しかし、大人になって長野で信州そばを食べる機会があり、試しに一口食べてみたところ、その香りと喉ごしの良さに衝撃を受けました。つるっと喉を通る感覚と、噛むたびに広がる香ばしい風味が忘れられず、今では各地の蕎麦を食べ歩くのが趣味になるほど、私にとって蕎麦はなくてはならない存在です。
そんな蕎麦は、今や海外でも人気が高まっています。その背景には、いくつかの理由があります。
1. 健康志向の高まり
蕎麦は、小麦やお米に比べて血糖値の上昇が緩やかな低GI食品です。ダイエットや美容を意識する人からは「罪悪感の少ない主食」として支持されています。さらに、血管の健康維持に役立つとされるポリフェノールの一種「ルチン」が豊富に含まれており、十割そばはグルテンフリーなので、小麦アレルギーやグルテン不耐症の方からも選ばれています。
2. 日本食ブームの波
寿司やラーメンに続く「次の和食」として、蕎麦が注目されています。海外では、手打ち蕎麦の実演をライブで楽しめるイベントが人気で、その繊細な職人技と出来たての香りが人々を魅了します。また、ざるそばの美しい盛り付けはSNS映えし、観光客の投稿が口コミ効果を生んでいます。特に台湾やシンガポール、香港では近年、蕎麦専門店の進出も増え、現地の食文化にも溶け込み始めています。
3. 食文化との相性
蕎麦は冷やしても温めても美味しく、気候や文化に合わせたアレンジが可能です。ヨーロッパでは、パスタの代用としてオリーブオイルやトマトソースと組み合わせたり、フランスではそば粉のガレットとして親しまれています。北米では、野菜やチキンと合わせた「そばサラダ」が健康志向の人々に人気で、日本とは一味違う方法で蕎麦が楽しまれているようです。

夏のソバ畑
日本食が世界中で愛されていることを、私は誇りに思います。この夏は、酷暑といわれるほど暑い日が続いていますが、さまざまなアレンジや各地の蕎麦を食べて元気に乗り切りたいですね。(M.S.)