「日本のインド料理」
今回は、日本におけるインド料理の広がりについてお話しします。インド料理が本格的に普及し始めたのは、1960年代後半から1970年代にかけてのことです。当時、海外旅行が一般化しつつあり、日本人の舌も新しい味を求めるようになりました。そうした中で、スパイシーなインド料理が次第に人気を集めていきました。
それまで日本人にとって「カレー」といえば、英国経由で伝わった「カレーライス」を指していました。しかし、本格的なインド料理店が登場したことで、日本人の「カレー観」は大きく変わります。インド料理店は本場の味を追求しながらも、日本人の好みに合わせてアレンジを加えました。
例えば、辛さの調整ができるようにしたり、日本人に馴染みのある食材を取り入れたりする工夫がなされました。また、インドではあまり見られない“ふわふわ”としたナンを提供したことで、『日本式インドカレー』という新たなジャンルが誕生しました。さらにタンドリーチキンやビリヤニなどのメニューが、日本人の間で人気を博すようになりました。
特に、ナンとインドカレーの組み合わせや、手で食べるスタイルは、日本人にとって新鮮で魅力的な食体験として受け入れられました。街角でよく見かけるインド料理店の多くは北インド料理を提供していますが、近年では南インド料理や各地方の特色ある料理にも注目が集まっています。例えばドーサやイドリなどの南インド料理など、インド料理の多様性が日本でも認知されるようになりました。
また、近年の健康志向の高まりとともに、インド料理の健康面での利点も注目されています。豆類を多用することによる高タンパク、スパイスの薬効、ヨーグルトの乳酸菌など、インド料理の健康的な側面が評価されています。
現在では、スーパーでもさまざまなスパイスや食材が手に入るようになり、家庭でインド料理を作る人も増えています。簡単に作れるカレールーやレトルトカレーも豊富に販売され、日常的にインド風の味を楽しむ機会が広がっています。
このように日本のインド料理は、本場の味を尊重しつつも、日本人の嗜好に合わせて独自の進化を遂げてきました。
今では日本の食文化の一部として定着しており、スパイシーでエキゾチックな味わいは、和の国に新たな彩りを添え、日本人の食生活をより豊かなものにしています。
なお、インド料理に必要なスパイスや加工品の輸入を検討されている方は、当社が輸送のお手伝いをいたします。お気軽にお問い合わせください。(A.M.)