「コーヒーの代わりに」
皆さんは、一日に何杯のコーヒーを飲みますか?
日本は世界第4位のコーヒー消費国で、1人あたり平均で週に10杯を飲んでいるそうです。
最近、「コーヒーの2050年問題」が話題になっています。
その主な原因は、気候変動によってコーヒー豆の主要品種であるアラビカ種の栽培適地が2050年までに半減すると懸念されていることです。また、コーヒー豆の価格が高騰していることも問題視されています。
アラビカ種の先物価格が過去最高値に近づいているという報告もあり、これはブラジルやベトナムなど主要生産国での生産減少や供給混乱が原因とされています。
このような状況の中で、「代用コーヒー」が注目を集めています。
代用コーヒーとは、伝統的なコーヒー豆を使用せずに、他の植物や種子から作られた飲み物のことです。
代用コーヒーの歴史は古く、戦時中や経済的に困難な時期にコーヒー豆が不足した際に広く使用されました。また、イスラム世界ではラマダン期間中にカフェインを控える習慣があるため、シリアやエジプトではカルダモンやシナモンを使ったデカフェドリンクが飲まれています。
日本でも、第二次世界大戦中の経済封鎖によりコーヒーの輸入が禁止された際、法律で「代用品」として13品目が指定されました。それには「さつまいも」「とうもろこし」「百合根」「大豆」「ヒエ」「チューリップ」「ハブ茶」「うるしの実」などが含まれています。現在も残っている代用コーヒーには、「たんぽぽコーヒー」や「大麦コーヒー」があります。
代用コーヒーはカフェインを含まないため、睡眠の質を改善する効果が期待されています。さらに、多くの代用コーヒーには抗酸化物質やミネラルが含まれており、健康増進にも役立つとされています。
そのため、カフェインの摂取を避けたい人や、コーヒーの風味を楽しみたいけれど健康上の理由で控えざるを得ない人たちに人気があります。
皆さんもぜひ、一度「代用コーヒー」を試してみてはいかがでしょうか?(A.S.)