「旅するカップラーメン」
真夜中の午前3時、私はちょっとした贅沢を楽しみます。期待感に胸を膨らませながら3分間待つ。そして少しの罪悪感を感じつつ、夢中で麺をすすると、小腹が満たされて一気に幸せな気持ちになります。深夜に食べるカップラーメンの味は、格別ですよね。
みなさんはどんな時にカップラーメンを食べますか? 平日のお昼にデスクで、山登りの山頂で、あるいは急に辛いものが食べたくなった時…。さまざまなシーンで口にすることがあるのではないでしょうか。
カップラーメンはどこでも買えて、手軽に作れるため、私たちの生活にとても身近な食品です。スーパーに行くと、多種多様なカップラーメンが並んでいて、その日の気分や場所に合わせて味を選べるのも魅力のひとつですね。
世界中で愛される日本の味
カップラーメンの歴史は1970年頃まで遡ります。日本で開発され、当時は100円程度で購入できる手頃な食品として、瞬く間に人気を集めました。当時はインスタントラーメンとともに普及し、現在では世界中で愛されています。
世界ラーメン協会(WINA)の調査によると、2020年には即席麺の世界需要が1,212億食に達しました。店頭では外国メーカーのカップラーメンを見かけることも増えましたが、同時に日本製カップラーメンも世界中に輸出されています。
輸出量は年々増加しており、2022年には輸出数量が約12,000トン、金額は100億円を超えています。
主な輸出先は香港・アメリカ・台湾
輸出先を国別に見ると、香港、アメリカ、台湾で全体の約60%を占めています。
🌏 日本産カップ麺の人気エリア
- 🥇 香港
- 🥈 アメリカ
- 🥉 台湾
特に海外の富裕層に人気があり、日本のカップラーメンは安全で安心な高級食品として受け入れられています。また、海外に暮らす日本人にとっても懐かしい日本の味として需要があるそうです。
🚚 食品物流のプロのひとことメモ
【「空気」を運ばないための工夫】
カップラーメンの輸出において、物流上の課題となるのが「容積重量」です。
カップ麺は中身のほとんどが空間であるため、重量は軽いもののかさばります(容積が大きい)。国際輸送では「実重量」か「容積重量」の大きい方で運賃が決まるため、そのまま積むとコストが割高になりがちです。
そのため、コンテナへの積載効率(バンニング)を極限まで高めたり、他の重量物と混載したりといった、プロのパズル力が求められます。
旅先で感じる現地の食文化
私も海外を訪れた際、ついカップラーメンを手に取ることがあります。現地の消費者に合わせた風味で、日本のものとは少し異なります。辛味が強いもの、スパイスの効いたもの、薄味のものなどさまざまです。
好みに合わないこともありますが、旅先で食べるカップラーメンは、現地の生活を感じられて楽しいものです。みなさんも、旅先でその土地ならではのカップラーメンを味わってみてはいかがでしょうか?(K.I.)
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