「日新の“出番”」

今回は倉庫で行われる『デバンニング』についてお話しします。
デバンニングとはコンテナから貨物を出す作業のことです。物流関係者の間では『デバン』と略して呼ばれますが、私が新入社員の頃、現場研修中に「出番」と勘違いし、作業に加わろうとしたところを先輩に急いで止められたことを覚えています。デバンニングはコンテナで輸入された商品を荷下ろしする際に欠かせない作業で、物流工程にとって重要です。

コンテナは20ft(全長約6m)、40ft(全長約12m)の大きさがあり、トレーラーで輸送される必要があるため、広い敷地を持つ港湾倉庫など専用の施設が必要です。多くの貨物がコンテナで輸入されますが、コンテナに積載されている商品には様々な荷姿があります。たとえばパレットに数十個の箱が積まれたものや、紙袋がコンテナ内にぎっしり詰まったものなどです。そのため、フォークリフトを使用したり、作業担当者が1袋ずつ積み替えたりするなど、作業方法も多岐にわたります。

特に食品の場合、デバンニング時の『検品』は非常に重要です。
輸入時の海上の状況や、輸出地と輸入地の気候の違い、輸出者と輸入者ならびに納品先の間での品質認識の相違などから、トラブルが多く発生します。
例えば、濡れによるカビの発生や製品の破損、商品印字の不良、製造番号の相違などがあります。

当社では、輸入されたお客様はもちろん、食の安全・安心を重視する消費者の皆様に満足いただけるよう、お客様と製品の品質基準を事前に十分に調整し、食品の取り扱いに慣れた担当者が作業を行います。

また食品の輸入は食品衛生法に基づいた表示が必要ですが、デバン時にはラベルを貼ったりスタンプを押したりする作業が並行して行えるため、スピーディに商品を流通させることができます。輸入貨物も個体ごとに特徴や状態が異なるため、常にお客様の目となり、五感をフルに活用して、一期一会の精神で丁寧にお取り扱いさせていただきます。(T.N.)