「防虫防鼠って何ですか?」

皆さんは「防虫防鼠」という言葉をご存じですか?
なかなか聞き慣れているという方は少ないかと思いますが「防虫防鼠:ぼうちゅうぼうそ」と読み、食品の製造工場や保管倉庫、販売スーパーなど各所で虫や鼠(ネズミ)を防ぐ為の様々な対策・処置を施す一連の作業のことを指します。具体的な作業としては、平常時の施設内の定期点検や消毒に始まり、実際に事案が発生してしまった際の駆除トラップや薬剤の設置などになります。
普段私達の生活の中では、虫は簡単に家の中にも入り込み、繁華街の路地裏では鼠も頻繁に見かけます。虫は虫でも「カブトムシ」は子供達に大人気ですし、ネズミであれば「ハムスター」はとても可愛いペットです。
しかしながら、食品を餌にしようとする虫とネズミは残念ながら排除しなければならない外敵です。とりわけ食品を扱う施設は虫とネズミの侵入を永久的に阻止し続けなければならないのです。

それでは防虫防鼠の詳しい作業についてご紹介しましょう。まずは侵入を防ぐために施設内外を清潔に保つ事は基本中の基本になりますが、効果的な予防策として色々なトラップを施設内外に仕掛けておくことが重要です。たとえば空を飛ぶ虫には「飛翔虫」用の仕掛け、歩いて移動する虫には「歩行虫」用の仕掛けなどがあります。これらはフェロモントラップと呼ばれ、虫が好む匂いで誘引する物になります。これらは家庭用としても販売されているためご存じの製品が多いかと思います。そして、仕掛けたトラップは害虫を捕まえる事だけが目的ではなく、定期点検で異常をいち早く察知できるようにする役目もあります。

実際に異常が発見された場合、その虫の種類ならびに発生状況によって様々な対応を施します。代表的な駆除方法としては局所的に薬剤を散布して直接殺虫する「薬剤散布」、脱皮を阻害する成長阻害剤を煙霧状にして空間に充満させる「燻蒸(くんじょう)処理」があります。これらの薬剤もドラッグストアなどで広く販売されていますのでご存じの方も多いのではないでしょうか。
さて、ここまでで駆除が完了するかと思われがちですが、実際には虫の卵は固くて薬剤が浸透しない事もあるため、第二段階としてまずは成虫を殺虫し、孵化したタイミングで生き残った個体を殲滅するなどのプロによる徹底した駆除作業を行います。また、ネズミは生後3ケ月で出産できるようになり、1回の分娩で6~10匹の子供を産む爆発的な繁殖力(いわゆるネズミ算などで有名)を持っているため、侵入してしまった個体は毒餌や粘着シートを使って駆除し、その後は侵入に繋がりそうな場所を徹底的に潰していく作業が重要になります。

このように、「日本の食は世界一安全だと称されている」のもプロによる徹底した「防虫防鼠」に対する取り組みが大きな役割を果たしていることの一端を感じていただけたかとと思います。
今度お買い物に行かれた際には、今回ご紹介した事例を思い出してちょっとした隙間や物陰に見られる「防虫防鼠」への取り組みを探してみて下さい。日本の食の安全をもっと身近に実感できるかも知れません。
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