「食を通じて世界を知る」
ついこの間ようやく暑く長い夏が終わったかと思えば、早いもので今年も残すところあと2か月。皆さんはもう年末年始のご予定はお決まりですか?多くの方は年越し蕎麦、おせち料理を楽しむのではないでしょうか。細く長く生きられるようにお蕎麦を。おせちの数の子は子孫繁栄、海老は背中が曲がるまで長生きできるようにと、それぞれに願いが込められていますよね。
では他の国はどうでしょうか。世界の年末年始の食について、いくつかご紹介します。
アメリカ「ブラック・アイド・ピー」
アメリカ南部ではブラック・アイド・ピー(黒目豆)と呼ばれる豆を用いた炒めものやスープを新年に食べる風習があります。普段の料理にもよく使われる豆ですが、見た目がコインのように見えることから金運アップに繋がるとされ、お正月の縁起物としても定番となっています。
シンガポール「ユーシェン(魚生)」
国民の約75%が中華系を占めるシンガポールでは旧正月を盛大にお祝いします。その際に欠かせないのが、ユーシェンと呼ばれる海鮮サラダです。刺身、人参、大根、ピーナッツ、胡麻、ワンタンの皮等が盛り付けられた大皿を皆で立ち上がって囲み、一斉に願い事を言いながら箸で高くつまみ上げてかき混ぜます。生の魚を意味する中国語の「魚(ユー)生(シェン)」の音の響きが「余(ユー:豊かになる)」「升(シェン:上昇する)」と同じことから刺身は縁起が良いものとされ、その他の具材にもそれぞれ意味が込められています。高く上げれば上げるほど幸せが訪れると言われているので、テーブル中にサラダが飛び散りますが皆で楽しみながら食べる伝統行事です。
スペイン、メキシコ「ブドウ」
スペイン語圏では新年を迎える12秒前から、カウントダウンの鐘と共に12粒のブドウを食べ願い事をする風習があります。たくさんの実をつけるブドウは豊かさの象徴とされています。12粒=12か月を表し、0時前に食べ終わるとその願いが叶い1年間幸運がもたらされると言われています。普通に食べるのでは案外間に合わないので、カウントダウン前にあらかじめ皮を剥き、種を除いておくことが成功の秘訣のようです。
国や文化は違えども、食を通じて新しい一年の幸せを願うことは世界共通なのかもしれないですね。今年は世界の文化を取り入れて、いつもとは違う年末年始を楽しんでみるのはいかがでしょうか。
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