「乳製品の輸入について」
皆さんの周りにある乳製品。
その中には、輸入品も多く見かけると思います。
昨年、日本に入ってきた主要乳製品の輸入量は約450万トンでした。
これは、飼料用を除く生乳換算での数字です。
日本人の生活に欠かせないアイテムと言えるでしょう。
では、そんな乳製品の輸入プロセスをご存じでしょうか?
実は、通関前にクリアすべき課題があります。
それが、動物検疫と食品検疫です。
輸入通関における「3つのハードル」
対象品目の拡大と指定場所での検査
動物検疫に関して、重要な法改正がありました。
平成28年の「家畜伝染病予防法施行規則」の一部改正です。
これに伴い、2017年11月から対象品目が拡大されました。
具体的には、従来の生乳だけではありません。
クリーム、ホエイ、バター、チーズ等も動物検疫の対象となりました。
検査は、原則として指定場所で行われます。
主な指定場所は、空港、港、そして港湾倉庫です。
また、事前の準備も欠かせません。
輸出国側で、検疫証明書を取得しておく必要があるのです。
成分規格の検査と工程確認
動物検疫に合格すると、次は食品検疫です。
実は、「乳製品」と呼称できるものには決まりがあります。
省令で定める成分規格に、合致しなければなりません。
例えば、ホエイパウダーを輸入する場合です。
成分規格に合致しているか、検査が必要になります。
(※結果が出るまで、概ね7~10営業日かかります)
食品検疫では、この検査指導が行われます。
さらに、製造工程や原材料の内容も精査されます。
これらをクリアして、ようやく合格となるのです。
国内産業保護とEPAの活用
乳製品の通関には、特殊な手続きがあります。
それは、農畜産業振興機構との「機構売買」です。
また、国内産業保護のため、高額な関税が課されています。
ただし、例外もあります。
例えば、関税割当を使用する場合や、入札に参加する場合などです。
💡 ポイント:EPA(経済連携協定)
昨今は、EPAの適用も有効な手段です。
これにより、軽減税率で輸入できるケースも増えています。
皆様のお手元に品物が届くまで。
実は、多くのハードルを越えて来ているのです。
当社は、食品物流のエキスパートです。
乳製品をはじめ、皆様の輸出入をサポート致します。
また、EPA適用による減税についてもご相談ください。
商品代金はゼロ円にはなりません。
しかし、関税は限りなくゼロに近づけることが可能です。
皆様の「食」が豊かなものとなりますように。
「物流でつなぐ 、世界のおいしさ」を日新がお届けします!(R.T.)
🚚 食品物流のプロのひとことメモ
EPA活用と「正しいHSコード」がコスト削減の鍵です。
チーズやバターなどの乳製品は、関税率が高く設定されています。
しかし、TPP11などの協定を活用すれば、大幅に削減できる可能性があります。
そのためには、高度な専門知識が必要です。
具体的には、成分比率を把握し、正しい「HSコード(税番)」に分類することです。
日新の通関士は、複雑な乳製品の分類とEPA規則に精通しています。
お客様の適正な納税と、コストダウンを強力に支援します。
▶ 関連ガイド:
冷凍チーズやバターなど、冷凍食品の輸入手続き・保税エリアでの検疫については、「冷凍食品の輸入手続き完全ガイド」で詳しく解説しています。
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