中国物流は「三重苦」の異常事態|春節リスクと輸出遅延【2026最新】

上空から見た駐車スペースに並ぶトラック 中国物流の混雑

新年が明けました。しかし、日中間の物流担当者の皆様にとっては、息つく暇もない状況が続いています。
目前に迫る中華圏の旧正月「春節」
そして今、突発的に発生している「輸出通関の遅延」

例年であれば、春節前の「船の混雑」だけを気にすれば済みました。
しかし2026年の中国物流は、「輸入の二重苦」に「輸出の混乱」が加わった、まさに「三重苦」の異常事態となっています。
これまで以上に、慎重かつスピーディーなハンドリングが求められます。

⚠️ リスク①:輸出通関の遅延(2026年1月現在)

現在、日本から中国向けの食品・酒類輸出において、現地通関検査の強化によるスケジュールの遅れが顕著になっています。
政治的な背景や春節前の駆け込みが重なり、通常よりも許可までに日数を要するケースや、突如として追加書類の提出を求められる事例が出ております。

これから出荷をご検討中のお客様は、最新の規制状況やスケジュールへの影響について、個別に日新の担当者までご相談ください。

では、残る「2つのリスク(輸入編)」とは何か。
春節前に必ず押さえておくべき落とし穴について解説します。

Risk 2

【書類の壁】連絡不能による「デマレージ」の発生

最も恐ろしいのは、貨物が日本に到着してから問題が発覚するケースです。
なぜなら、春節期間中は中国側のシッパー(荷主)や船社代理店と連絡が取れなくなるからです。
その結果、小さなミスが大きな損失(デマレージ)に直結してしまいます。

具体的には、以下のような「負の連鎖」がよく起こります。

     

  1. 貨物が日本に到着し、いざ通関士が輸入申告を行おうとします。
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  3. しかし、書類とマニフェスト(積荷目録)の内容に不整合が見つかります。そのため、「マニフェスト訂正」が必要になります。
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  5. そこで急いで中国側のシッパーや船社代理店にコンタクトを取ります。ところが、春節休暇中のため応答がありません。
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  7. 訂正処理ができません。結果として、日本側では輸入許可が下りず、貨物を引き取れなくなります。
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  9. フリータイム(無料保管期間)が過ぎてしまいます。そして、高額なCYデマレージ(超過保管料)が日々加算されていくのです……。

たった1箇所の訂正かもしれません。しかし、発信元の中国側が動かなければ、日本側ではどうすることもできないのです。
したがって、現地が長期休暇に入る前に動く必要があります。B/Lやインボイスの内容を完璧に突き合わせておきましょう。
これが、唯一にして最大の防御策となります。

Risk 3

【物理的な壁】直行便減少による「トランシップ滞留」

書類が完璧でも、安心はできません。近年の傾向として、新たなリスクが生まれているからです。
2021年頃から、海運市況が大きく変化しました。日本(特に地方港)への「直行便」が減少したのです。
一方で、ハブ港での「積み替え(トランシップ)」が増加しています。

ハブ港で荷物が迷子になる?

海から見た上海の風景

直行便なら、船に乗れば目的地に着きます。しかし、トランシップの場合はそうはいきません。
上海や釜山などのハブ港で、一度荷物を降ろす必要があります。そして、別の船に載せ替えることになるのです。

ここで問題になるのが、春節前後の状況です。この時期は、世界中からの貨物がハブ港に殺到します。
さらに、港湾作業員も減少する時期です。そのため、大混雑(Congestion)が発生しやすくなります。

その結果、「積み替え予定の船に乗せきれない」という事態が頻発します。いわゆる「ロールオーバー(積み残し)」です。
こうなると、次の船まで1週間以上待つことになります。
スケジュール上は到着しているはずです。しかし実際は、まだ海外の港に置き去り……というケースが増えているのです。

🚚 食品物流のプロのひとことメモ

【「書類の早め」と「ルートの選定」をセットで】

春節の物流トラブルを防ぐには、以下の2点が必要です。

     

  • 書類情報の早期確定:不測の事態に備えてください。マニフェスト訂正期限(Cut日)より、さらに前のめりで動くことが大切です。
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  • リスクの低い航路選び:多少コストがかかっても直行便を選びましょう。あるいは、混雑するハブ港を避けるルートを検討すべきです。

私たち日新は、通関士とフォワーディング担当が連携しています。
お客様の貨物一つひとつに合わせて、最適な「春節対策」をご提案します。

「三重苦」のトラブルを未然に防ぐ

「今のスケジュールで本当に大丈夫?」
「中国への輸出が止まって困っている」
そんなご不安をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
現状のルート診断や、リスク回避のための代替案もご提示可能です。

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現場のスタッフが執筆しています

当サイトのコラムは、日新の現役社員(通関士・輸送手配担当・営業担当など)が、日々の業務で培った経験をもとに自ら執筆しています。
文章のプロではありませんが、「物流のプロ」として、現場のリアルな空気感や専門知識を、等身大の言葉でお伝えできれば幸いです。