「日本のチーズの需給状況について」

酷暑が過ぎ、朝晩が冷え込む日が増えてまいりました。年末も近づき、一年の中で特にチーズが美味しく感じられる季節です。ナチュラルチーズや、チーズを使った製品を手に取る機会も増えているのではないでしょうか。
今回のコラムでは、チーズの需給状況についてご紹介します。
皆さまもご存じの通り、日本の食料自給率は低く、チーズも例外ではありません。農林水産省の統計によると、国内で消費されるチーズの約85%が外国産です。
国産チーズへの注目と変化
しかし円安による価格高騰や国際的なインフレーションの影響で外国産チーズの輸入量は減少傾向にあり、その結果、国産チーズのシェアが増えています。食卓に並ぶプロセスチーズにも、国産の原料が使われる機会が増えているかもしれません。

このような背景から、日本のチーズ生産者は今、大きな注目を浴びています。
北海道を中心とした生産地では、品質の高いナチュラルチーズやプロセスチーズが次々と生み出されており、これが国産チーズの人気を支えています。
特に新鮮な生乳を活かした「フレッシュチーズ」や、日本ならではの和風アレンジが施された商品は、国内外で評価されることも増えてきました。地産地消のチーズが増えることで、より身近で親しみやすい選択肢が広がっているのは、私たち消費者にとっても嬉しいニュースですよね。
🚚 食品物流のプロのひとことメモ
【チーズは「生きている」!繊細な温度管理】
記事にもある通り、日本のチーズ消費の大部分は輸入に支えられています。
ナチュラルチーズは輸送中も熟成が進む「生きている食品」です。温度が高すぎると熟成が進みすぎて劣化し、低すぎると風味が損なわれてしまいます。
日新では、定温(リーファー)コンテナによる海上輸送や、通関後の定温倉庫での保管など、チーズの種類に合わせた厳密なコールドチェーンでおいしさを守っています。
定着するチーズ文化と物流
一方でここ数年、チーズの消費量は一時的に減少傾向にあります。背景は前述のとおりですが、長期的には輸入量・消費量ともに数十年前に比べて大幅に増加しており、今やチーズは私たちの生活に欠かせない食品になっています。
ピザやハンバーガー、チーズフォンデュなど、チーズを使った料理は数えきれません。需給は世界情勢の影響を受けますが、チーズが日本の食文化に定着している今、長期的には需要が増えていくと考えられます。

何気なく手に取った一片のチーズが、実はこうした国際的な背景を経て私たちの手元に届いていると考えると、いつものおつまみも少し特別なものに感じられますね。
当社には、畜産物に関する法令申請やチーズの特性に合わせた保管方法に精通したスタッフが在籍しており、プロセスチーズやナチュラルチーズなど幅広い種類を取り扱っています。また、北海道から九州までのコールドチェーンも提供可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。(S.M.)
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