「税関・関税ってなに?」

港とコンテナ

今回は、税関と関税についてお話ししたいと思います。
関税といえば、どんなイメージをお持ちでしょうか?
一般には、輸入品に課せられる税金というイメージが強いかもしれません。

実は、関税の起源は中世ヨーロッパにまで遡ります。
始まりは、各都市が域内に出入りする貨物に対して課税したことでした。
その後、国家領域を単位とする国境関税に発展しました。
そして、それを徴収するための機関として税関が設置されたのです。

日本の税関の始まり

日本でも、中世には通行税を徴収する関所がありました。
しかし、近代的な税関の始まりは江戸時代末期です。

1858年(安政5)、日米修好通商条約が締結されました。
これをきっかけに、長崎・神奈川・箱館など各港が開港されます。
その際、運上所が設置されました。
この運上所こそが、現在の税関の起源なのです。

関税の役割と国内産業の保護

スーパーの食材

では、関税の役割について考えてみましょう。
関税は国の収入源ですが、それだけではありません。
同時に、国内産業の保護も担っています。

例えば、先進国では関税収入の割合はあまり高くありません。
一方で、途上国では関税収入の割合が高い国が多くあります。

産業保護の観点からは、輸入品を制限する効果があります。
つまり、国内の産業を外国との競争から守ることが目的なのです。

💰 食品にかかる関税の例

日本では食料品を守るために、輸入農産物に関税がかけられています。
具体的には、以下のような品目です。

  • お米(約280%、従量税341円/kg ※精米の場合)
  • 砂糖(35%)
  • バナナ(40%~50%)
  • チーズ(平均30%)
  • 牛肉(25.8%~50% ※年間の輸入量により変動)

これらは、私たちの身近な食材ばかりです。
もし関税がなかったら、どうなるでしょうか?
外国製品はより安価に提供されるでしょう。
その結果、国内製品の需要が減り、生産者も減少してしまうかもしれません。

💡 注目のトピック


▶ 今後の関税はどうなる?「トランプ政権による貿易外交」

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まとめ

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以上、今回は税関と関税についてお話ししました。

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