「ワインとチーズ」
2020 年流行語大賞は「3密」が輝いたそうですね。
その他「オンライン〇〇」もベストテン入りし、飲み会も「 オンライン飲み会」 で楽しんだ方もいらっしゃるのではないでしょうか?
調査結果によるとオンライン飲み会のテーブルを飾った食材には、 ワインとチーズを選んだ方が多いようです。
このワインとチーズですが、 ラベルに記載された原産国名を見ると、 実に様々な国から輸入されていることが分かります。
ワインだとチリ・フランス・スペイン・オーストラリア・アメリカ、チーズだとオランダ・イタリア・デンマーク・フランス・オーストラリアなどが並んでいますね。
一方、輸入統計を見てみると、 国別の輸入量は年を追うごとに順位が入れ替わっていることが分か ります。
一体何が起きているのでしょうか?・・どうやら輸入量の変化には、 輸入時に発生する関税等が絡んでいるようです。
まずワインは長年にわたりフランス産が首位だったのですが、 2007年に日本がチリとEPA(経済連携協定)を結び関税が段階的に引き下げられた結果、10年で輸入量はなんと5倍となり現在ではチリ産がトップになっています。
また昨年2月に発効した日欧EPAでは関税が即時撤廃され、 輸入量は約2割増えました。さらにカリフォルニアワインで有名なアメリカ産ワインは2020年 1月に日米貿易協定が締結され、 2025年4月には関税が撤廃されます。
こうなると、米中貿易戦争で高関税を掛けられて行き場を失っているアメリカ発中国向けのワインは、 関税が段階的に引き下げられる日本向けにシフトされ、 今後アメリカ産ワインの輸入量も伸びてゆく事が予想されます。
一方チーズですが、 世界最大のチーズ輸入国はどこでしょうか?
わが国のチーズ輸入量を国・地域別でみると長年オーストラリアが最大の輸入相手でしたが、 近年はEUがトップになりました。 EUで生乳生産の上限枠が撤廃されたこと等の背景もありますが、 先述の日欧EPAにより関税の一部削減も寄与しており、 更なる輸入量の増加が見込まれます。
普段何気なく口にしている食品も、 様々な国策等に揉まれて皆さんのテーブルに乗っている事に思いを 馳せると、いつも以上にお酒も進むのではないでしょうか?
日新ではEPA関税適用のご相談等受け付けております。
お問い合わせは下記までご連絡下さいませ。 (H.S.)